UX心理学の10原則

絶対に守らなければならないルール”って本当にあるのかな?私も何度かプロダクト開発してきましたが、そんな絶対的なルールに縛られると逆に良いものが生まれないことが多かったです。正直、組織やチームのパフォーマンスだって固すぎるルールより多様な視点を大事にする方がイノベーションは生まれやすいんじゃ無いですかね。
ただ心理学でユーザーを理解しUXを最適化する基本に充実!を忘れないように自分にも思いだしたく改めてまとめてみました。

専門用語で複雑なイメージを連想させるけど、意外と短な生活周りにいるものが多いです。

1.ヒックの法則 (Hick’s Law)

– 原理:選択肢が多ければ多いほど、ユーザーが決定を下すのに時間がかかります。

– 適用:UIを簡素化し、主要機能を中心にメニューを構成して選択の負担を軽減します。例えば、ショッピングサイトのナビゲーションメニューが50個のカテゴリーで一度に表示されると、ユーザーは何を選べばよいか迷ってしまい、購入をやめる、離脱する可能性が高まります。改善方法として、主要なカテゴリーを5~7個に絞り、その中にサブカテゴリーを含めることで選択の負担を軽減できます。これにより、ユーザーはスムーズに進行でき、次のサブカテゴリに何が出てくるかある程度予想できる自然な流れでユーザーはタップ、タップで進めていくことができます。


2.フィッツの法則 (Fitts’s Law)

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Image credit: Luke Wroblewski

– 原理:ターゲットが大きいほど、そして近いほど、ユーザーが到達するのにかかる時間が短くなります。

– 適用:ボタンとインタラクション要素を十分に大きくデザインし、ユーザーの動線に沿って配置します。例えば、スマホアプリで重要なメニューを画面下部に配置するのは、親指の自然な動きで届きやすい位置にするためです。上部に配置するよりも、下部に大きく配置することで選択が楽になります。片手でスマホ操作するユーザーにとってはスマホ右&下へ重要なボタンを配置するなどもそういった理由であります。


3.ヤコブの法則 (Jakob’s Law)

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ECサービスQ10の例:三本線とカート

– 原理:ユーザーはすでに慣れ親しんだインターフェースと似た経験を期待します。

– 適用:既存のユーザビリティパターンに従い、標準化されたナビゲーション要素を維持して学習負担を軽減します。例えば、①ほとんどのECサイトやアプリでは、カートのアイコンが右上に配置されています。これに慣れているユーザーは、新しいショッピングアプリでも無意識に右上を見てカートを探します。もしカートのアイコンが左下など予期しない場所にあると、ユーザーは迷ってしまい、使いづらいと感じます。②多くのアプリで、三本線のアイコンが「メニュー」を意味する標準的なデザインになっています。ユーザーはどのアプリでもこのアイコンを見れば「ここをタップするとメニューが出る」と理解しています。この標準パターンを採用することで、学習の必要がなくなり、アプリの使いやすさが向上します。


4.ミラーの法則 (Miller’s Law)

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– 原理:人は短期記憶に平均的に7±2つの項目しか保存できない。

応用: 情報をグループ化したり、「チャンク」に分けて、ユーザーがより簡単に覚えて理解できるようにします。電話番号や郵便番号などは2つや3つの塊で区切られて覚えやすい。
UXデザインでは、ミラーの法則を活かして「情報を小さなチャンクに分ける」「選択肢を減らす」「視覚的な負荷を減らす」といった手法が用いられます。例えば:
• フォームの入力項目は5〜7個以内にする。
• 複雑な手続きを「ステップごとに分割」する。
• メニューやボタンの数を7個以内に抑える。


5.ポステルの法則 (Postel’s Law)

– 原理:入力は柔軟に処理し、出力は厳密に管理しなければなりません。UXデザインにおいて「ユーザーの入力に対して寛容に対応する」ことの重要性を示します。

– 適用:
例: エラーメッセージ
• 入力ミスをしたとき、「エラーです!」とだけ表示せず、何のエラーなのか、その画面でユーザーは具体的にどうすればいいのかなどのヒントを提供する。→「メールアドレスに@を入れてください」など具体的にアドバイスする。
例: 検索機能
 • ユーザーが「レストラン」と検索したら「カフェ」「飲食店」など関連する結果も表示するとさらにユーザーの選択範囲も広がると思います。
例: フォーム入力
• パスワード入力で「形式に誤りがあります」などの指摘だけでなく、どんな形式なのかを具体的に提供するなどですね。


6.ピークエンドの法則 (Peak-End Rule)

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– 原理:人々は経験全体ではなく、クライマックスの瞬間と最後の瞬間を基準に記憶します。
• 旅行全体の楽しさよりも、「一番感動した瞬間(ピーク)」と「最後の印象(エンド)」が記憶に残る。お店での食事の満足度は、「一番美味しかった料理(ピーク)」と「お会計時の対応やデザート(エンド)」に影響される。
• お店での食事の満足度は、「一番美味しかった料理(ピーク)」と「お会計時の対応やデザート(エンド)」に影響されます。
UXデザインにおいて「どの瞬間を強調し、最後の印象をどう作るか」を考える上で重要なポイントになります。

– 適用:
例: 旅行予約アプリのUX

• ピーク: ユーザーが理想の宿泊先を見つけた瞬間。
• エンド: 予約完了画面で「楽しんでください!」のメッセージと温かみのあるユーザーに共感を与えるようなデザインを提供するなど。
例: ECサイトのUX
• ピーク: セールやおすすめ商品の提案。
• エンド: 「購入完了」画面で、配送予定日や次回のおすすめを提示などですね。


7.見栄えの良いデザイン

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– 原理:見栄えの良いデザインは、より使いやすいと認識されます。
美的に魅力的なデザインは、ユーザーの信頼を高め、ポジティブな感情を引き起こしますUXデザインでの応用ではデザインが整っているフォーム → 「簡単そう」「ミスしなさそう」と思われるんです。

– 適用:
例: 入力フォーム
• シンプルで余白があるデザイン → 「使いやすそう」と感じやすい。
• 実際には他のフォームと機能が変わらなくても、直感的に「簡単」と思われる。
例: 銀行アプリ
• 信頼感のあるデザイン → 「セキュリティがしっかりしていそう」と感じる。
• UIが雑なデザイン → 「この銀行大丈夫?」と不安に思われませんか。


8.フォン・レストフ効果 (Von Restorff Effect)

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– 原理:「他と違うもの(目立つもの)は記憶に残りやすい」という心理学の法則です。人間の脳は、類似したものの中で一つだけ違うものがあると、それを特に覚えやすくなります。

– 適用:
例: CTA(コール・トゥ・アクション)ボタン

• サイトやアプリの中で、一番重要なボタンは「目立たせる」ことでクリックされやすくなる。
エラーメッセージ
• ユーザーが間違えたとき、エラーメッセージを「赤色」や「強調されたアイコン」で表示すると、すぐに気づくことができる。
フォームの入力補助
• フォーム入力時に、「今どこを入力しているのか」を目立たせると、ユーザーがスムーズに作業できる。会員登録や手続きプロセスなどでステップやワークスルーなどを流用するなど。


9.テスラーの法則 (Tesler’s Law)

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– 原理:すべてのシステムには、除去できない最小限の複雑さが存在します。

– 適用:
例:
Amazonの「1-Click購入」
• 購入プロセスの複雑さをAmazonが吸収し、ユーザーは「1クリック」で購入できる。
スマホ決済
• Apple Pay、Google Payでは、支払いの複雑さが見えない。
クレジットカード番号を毎回入力するのではなく、スマホをかざすだけで決済が完了する。
フォーム入力の最適化
•住所入力 → 郵便番号を入力すると自動で住所が入力される。


10.ドハティしきい値 (Doherty Threshold)

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– 原理:ユーザーが入力してからシステムが応答するまでの時間が400ミリ秒(0.4秒)以内であれば、ユーザーの集中力が維持され、生産性が向上するという法則です。

– 適用:「待たされるとストレスが増えるが、素早く反応が返ってくると快適に感じる」というのがポイントです。
UXの応用: アプリやWebサイトでは、ボタンを押した瞬間に「アニメーション」や「ローディングのフィードバック」を表示し、待たされていると感じさせない工夫しましょう。
例:
• ローディング時間の短縮:Googleの推奨では、「ウェブページは2秒以内、理想は0.4秒以内で表示されるべき」とされている。
• インタラクションのフィードバック:スマホアプリでボタンをタップすると、すぐに「押した感触」のエフェクトが出ると快適に感じる。
このシンプルな法則を意識するだけで、UXは大きく改善できます


まとめ

このような心理学を用いたUXの原則をデザイン設計時に適用することで少しでもプロダクトを利用いただくユーザーにとって製品の信頼感とブランドロイヤリティーを高めることができます。
毎回10原則全てを製品に反映していくには難しいと思いますし、製品によって提供できるルールは異なると思います。
設計段階でこのような理論を取り入れながら工夫する姿勢を忘れないようにしたいですね。

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