UI/UXデザイナーとして長く働いていると、
「この仕事をいつまで続けられるのだろう」と感じる瞬間があります。
この記事では、40代の現役UI/UXデザイナーである私が、
実際の現場経験を通して意識するようになった
「仕事を続けるための視点」を整理してまとめました。
同じような不安を感じている方の、
考えを整理するきっかけになれば嬉しいです。

①トレンドを追いすぎない勇気
私がWebデザインの仕事を始めたのは、2000年頃でした。
振り返ると、短く見積もっても15年、長ければ18年ほど、デザインに関わる仕事を続けてきたことになります。
その間、トレンドは何度も変わりました。
フラットデザイン、マテリアルデザイン、ミニマル、そして今はAIの時代。
正直に言えば、すべてを追い続けるのは現実的ではありません。
今の私は、「追わないトレンド」を意識的に選ぶようにしています。
なぜなら、デザインの土台になるレイアウト・フォント・色・余白といった基本は、流行が変わっても大きくは変わらないからです。
トレンドを知ることは大切ですが、
振り回されすぎない勇気も、長く続けるためには必要だと感じています。

② AIは「脅威」ではなく「補助輪」と考える
最近は、AIが画像を生成し、UI画面まで作ってくれる時代になりました。
実際、私自身もAIツールを使うことはあります。
ただし、それは「代わりに作ってもらう」というより、
考えを整理したり、選択肢を広げるための補助として使う感覚に近いです。
最終的にレイアウトを決め、
フォントや色のバランスを調整し、
クライアントの意図を汲み取って形にするのは、今も自分自身の仕事です。
AIは便利ですが、
「どう見せるか」「なぜそうするのか」を決める部分までは、まだ担ってくれません。
だから私は、AIを脅威ではなく、補助輪のような存在として捉えています。
③ 若いデザイナーと比べない
若いデザイナーのスピード感や、新しい表現を見ると、
つい比べてしまいそうになることもあります。
でも、年数を重ねてきたからこそ身についたものも、確実にあります。
たとえば、クライアントの言葉にならない要望を読み取る力や、
「この方向は後でズレるかもしれない」と事前に気づく感覚。
経験を積むほど、
「正解を急がず、遠回りを避ける」判断ができるようになりました。
若さと経験は、そもそも比べるものではない。
そう思えるようになってから、仕事がずいぶん楽になりました。
④ 「作る力」より「考える力」を磨く
私は、いきなりデザインツールを開いて描き始めることは、ほとんどありません。
まず最初にするのは、方向性を考えることです。
・この案件で一番大事なポイントは何か
・どんな情報を、どの順番で伝えるべきか
・要素を増やすべきか、減らすべきか
こうしたことを整理してから、初めて形に入ります。
長年このやり方で仕事をしてきましたが、
今でもクライアントからは安定した評価をいただいています。
「作る力」よりも、「考える力」。
これは、年齢を重ねるほど、強みになっていく部分だと感じています。
⑤ 無理をしない働き方を前提にする
正直に言えば、体力も集中力も、若い頃と同じではありません。
だからこそ、無理を前提にしない働き方を意識するようになりました。
すべてを完璧にこなそうとしない。
必要以上に詰め込まない。
自分のペースを崩さない。
長く続けていくためには、
「今できる最大」よりも、「明日も続けられる設計」が大切だと思っています。
デザインの仕事は、続けてこそ意味がある。
そのために、働き方そのものを見直すようになりました。
おわりに
デザインの仕事を続けることに、
明確な正解はありません。
ただ、年齢や環境が変わる中で、
「どう続けるか」を意識的に考えることは、
これからの働き方を選ぶ大きなヒントになると感じています。